移住先での土地探し12の注意点!知ってほしい田舎特有なことも

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地方移住して土地を購入し、家を建てたい!

そんな希望をもっている方に伝えたい、田舎特有のこともある土地探しでの注意点があります。

かお

私たちは、今住んでいる土地を購入するまでに、約3年間土地探しをしました

その経験から、田舎で土地を探す時って、都会や住宅街で土地を探す時とはちょっと違った見方が必要だなと感じました。

この記事で伝えること

\田舎で土地探しする時に確認したい/

  • 建築費用や手間に関わる5つの注意点
  • 住環境や生活の質に関わる5つの注意点
  • 健康に関わる2つの注意点
気を付けてね

中古住宅を購入される方にも共通するポイントがありますので、是非読んでみてくださいね。

目次

建築費用や手間に関わる5つの注意点

まず一つ目は、土地を購入して家を建てようとしている方には特に注目頂きたいポイント。

建築費用や手間に大きく関わってくる可能性がある、5つの注意点をお伝えします。

インフラが整備されているか

都会と田舎で大きく違うのはこの点かもしれませんね。

水道、ガス、電気・・都会なら整備されていて普通なことが多いかもしれませんが、田舎では整備されていない土地なんて山ほどあるので要確認です。

ただ、インフラ整備がされていない=利便性が悪い土地ということで、土地代が安い傾向にあるので、土地代とトータルで検討してみてくださいね!

水道

水道管が土地の近くまで通っていなければ、新たに水道管設置工事をする必要がありますが、その費用は実費です。

水道管を通す道は、砂利道より舗装道路の方が、距離があればあるほど、高額になります。

そもそも水道をひくことができない土地もあります。不動産会社が確認済ではあるはずですが、事前に自治体に問い合わせておくのが安心だと思います。

また、他人の土地を経由して水道管をつなげなければならない土地もあり、その場合は所有者へ交渉する必要が出てきます。(私が過去に見た土地にそのような例がありました・・)

尚、水道をひくことができない場合の選択肢は井戸になりますが、これもまた注意点があります。

  • その土地で井戸を掘って良いか許可をとる必要がある
  • 掘ってみても水が出ないことがある
  • 水量と水質は保証されていない
  • 特に浅井戸は環境の影響を受けやすい(水質汚染)
  • 電気を使って水をくみ上げるため、停電時は水が出なくなる
  • 水が枯渇する可能性がある

水道水と違って毎月の水道代金がかからない利点がありますが、上記の点を確認しておいた方がいいでしょう。

また、田舎では下水道の整備がされていないところが非常に多いです。

以下は令和2度年末の調査結果による全国平均、最も高いところ、低いところを抽出しました。

かお

こんなに普及率が低い地域もあるんですね。私の住む山梨は67.1%でした

下水が整備されていない土地では、浄化槽を設置しますが、こちらも以下を確認しておきましょう。

  • 設置費用と維持費用(メンテナンス・清掃)がかかる
  • 浄化槽のマンホールの耐荷重を踏まえて設置場所を検討

浄化槽の設置場所を失敗すると、駐車場の場所や重機の出入りで悩ましい事態が起こるのでご注意を!!

電気

電気も、近くに電柱がたっていないと新たに工事が必要になりますが、これは基本的に電力会社が費用を負担します。

自分の土地まで電線をひくために、電柱を他人の土地に設置する必要がある場合は、所有者に承諾を得なければなりません。

承諾を得るための対応は電力会社が行いますが、難航する場合は施主や建築会社が一緒にお願いに伺う必要が出てくることも。

所有者の承諾が得られた後は、自治体へ工事の申請手続きに入りますが、自治体によっては時間がかかるので、余裕を持った対応が必要です。

電力会社には小まめな進捗確認をすることをオススメします

ガス

田舎だと、圧倒的にプロパンガスが多くなります。

ガス料金は地域によって大きく異なり、ガス会社によっても価格設定が違いますが、都市ガスと比べると高くなります。

設置費用等の初期費用はかかりません。

境界線がはっきりしているか

売りに出されている土地には、隣地との間に境界杭が打ってあり境界線がハッキリしている土地と、そうでない土地があります。

後者の場合は、隣地の所有者立会いのもとで、境界の確認をしていく必要がでてきます。

そこで揉め事が起こると建築計画に影響がでる恐れがあります。

我が家も境界が曖昧で、且つ土地の分筆登記も必要でしたので、測量士の方に依頼し結構な費用がかかりました。

土地分筆登記見積り
土地の境界調査・分筆登記見積り

土地の広さや環境等によって変わってきますのでご参考までに・・

土地の地目が農地ではないか

土地の情報に「地目」という項目がありますが、そこが「田」などの農地になっていたら要注意です。

農地のまま家を建てることはできないから・・農地は食糧生産維持のため、農地法によって利用制限されているのです。

地目を宅地に変更(=農地転用)すれば家を建てることができますが、その申請手続きが煩雑なため、行政書士に依頼することもあります。

農地区分によって、農地転用の難易度や許可がおりるまでに要する期間が変わってきますので、慎重に検討する必要がありそうです。詳しくは、農林水産省の「農地転用許可制度について」をご参照ください。

また、元々田んぼや畑として利用していた土地の場合、家を建てるために地盤改良をする必要が多くあり、その費用も必要になってきます。

  • 農地転用のための許可申請手続きが必要で時間を要す
  • 農地転用手続きを第三者に依頼する場合や地盤改良が必要な場合に費用がかかる

樹木の伐根が必要ではないか

樹木が多く茂っている土地だと、最低でも家を建てる場所の伐採が必要になります。

倒木の恐れがあったり、電線にかかる可能性があったりする場所も伐採しておいた方が安全です。

樹木の伐採にかかる費用は一概には言えません。

  • 樹木の高さ、種類、樹齢
  • 重機が必要になるか、重機が入れる場所か
  • 周辺環境(切った樹木をそのままなぎ倒せるか等)

これらによって大きく異なるためです。気になる土地があったら早めに見積りをとっておくといいですよ!

尚、樹木の伐採自体よりも、業者さんに伐採した木を持ち帰って頂き処分いただく方にコストがかかります

ですので、

土地に余裕があれば、樹木が朽ちるまで隅に置いておくことでコスト削減につなげることができます。

傾斜地かどうか

傾斜地は、抜け感があって素敵な印象がある土地が多いですし、平坦地よりも土地の価格が安いのが魅力です。

しかし、その分工事単価が上がりますのでご注意を。造成や擁壁工事が必要となる場合もあります。

  • 造成工事:埋め立て・盛土などをして、建築がしやすいように土地を整えること
  • 擁壁工事:土地が崩れないよう、斜面をコンクリート等でかためること

また、なるべくコストを抑えながら傾斜をうまくいかした設計をしてくれる建築会社を選ぶのもポイント。建築会社の過去の実績を確認してみてくださいね。

住環境や生活の質に関わる5つの注意点

続いては、移住生活の満足度に大きく関わってくる可能性大のポイントです。

災害にあう危険性が低いか

これは言うまでもありませんが、災害にあいにくい土地であることは重要ですよね。

日本は地震大国ですし、原発もそこら中に・・安全な場所はあるの?と思いますが、なるべくリスクが低い土地を探すことは可能です。

そのためにまず確認したいのが、ハザードマップです。

自治体によって用意されているハザードマップの種類はまちまちですが、主に以下のようなものがあります。

  • 土砂災害ハザードマップ
  • 洪水ハザードマップ
  • 地震ハザードマップ
  • 津波ハザードマップ
  • 火山ハザードマップ
  • 液状化ハザードマップ
  • 高潮ハザードマップ

各自治体のホームページから確認することが可能ですが、複数のハザードマップを一つ一つ確認するのは大変。

そこで活用したいのは、国土交通省のハザードマップポータルサイトです。

このサイトの「重ねるハザードマップ」を利用すると、気になる土地の情報を一度で得ることが可能です。

写真の赤い矢印「リスク検索」をクリックして、調べたい場所を左クリックするとピンポイントで確認することができます。

尚、災害リスクについては、「土地探しの条件を決める~今の暮らしから理想を考える~」の条件7:災害や季節の影響を受けにくい場所でも少し触れていますので、良かったら参考にしてみてくださいね。

隣地の空き地はどんな状況になっているか

田舎で土地探しをすると、隣地に家がなく空き地になっていることがよくあります。

やった~隣の家と離れてる!と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。

その土地に、今後家が建つ可能性は十分考えられます。

一軒家ではなく、集合住宅が建ったりお店ができたり、自分にとって好ましくないものができたりする可能性も・・。

隣地に既に家が建っている方が、かえって見通しがたったりするものです。

かお

それを考慮せず周りに家がないことを気に入って家を建てると、将来的に眺望や日当たりなどが変わってしまう可能性があります

一軒建つと、その周りに家が建ちやすいというのはよく聞く話ですしね・・。

でも、なるべくこのリスクを減らすことも可能です。

対策

  1. 不動産会社を通して、隣地の所有者に使用状況や今後の予定を確認する
  2. 万が一、家が建った時のことを考慮して建物の位置や窓の配置に注意する
  3. リセールバリューを確認して万が一に備える(周辺の平均売却額や賃料を確認しておく)

我が家も周囲に家がない土地だったので、隣地の方にコンタクトをとらせていただきました。

新たな道路計画や大規模開発予定がないか

せっかく移住して家を建てたのに、その土地の近くに大きな道路や施設ができて、環境がガラッと変わってしまってはショックですよね。

かお

「近くに」ならまだしも、自分の敷地が該当してしまうと、立ち退きを迫られてしまうことだってあります

大規模な開発や道路計画は、自治体が把握していますので、気に入った土地で該当することがないか確認してみましょう。

自治体だけではなく、不動産会社に聞いてみたりその地域に住んでいる方のブログを調べたりしてみると、リアルタイムの情報を得られることがあるので、是非複数チェックしてみてください。

土地や隣地の樹木は落葉樹か常緑樹か

気に入った土地にどんな樹木が多いか・・これ、結構重要です。

主に確認してほしいのは、落葉樹か常緑樹かという点です。

落葉樹

秋・冬の寒い季節に葉を枯らして落とす樹木(例:サクラ、モミジ、ナラ、クリ、ケヤキ)

常緑樹

1年を通してほとんど緑の葉を落とさず茂らせている樹木(例:スギ、ヒノキ、マツ)

もし、土地や土地の周辺、特に東から南側にかけて常緑樹が目立つ場合は注意が必要です。

防風林として役に立つこともありますが、日当たりに大きな影響を与え、薄暗い印象になったり冬は寒かったり雪が溶けにくかったりするからです。

購入予定の土地なら伐採できますが、隣地の他人の土地だとそう簡単にはいきません。

許可を得て伐採させていただくケースもありますが、土地を購入する前に確認しておきましょう。

かお

それと好みの問題でもありますが、植生によって土地の雰囲気が大きく変わるので是非チェックしてみてくださいね!

狩猟禁止エリアか

狩猟・・それは都会との大きな違いで、知らずに田舎に移住したら驚くことの一つかもしれません。

  • 誤射や流れ弾などによる死亡事故
  • 猟犬(野生動物を見つけて追い込むために使われる)による咬傷事故
  • 飼い猫などの罠による誤捕獲

このような事故が起こるのは珍しいことではありませんし、銃声が聞こえるだけで恐怖感を抱く人もいるのではないでしょうか。

ですので、これらについて不安が強い方は、狩猟が行われない土地・エリアかどうかを確認することをオススメします。

それをどのように確認するかですが、都道府県が以下のようにエリアを定めています。

  • 鳥獣を保護する地区
  • 特定の猟法での狩猟は禁止されている地区
  • 特定の猟具を使用した狩猟は禁止されている地区
  • 狩猟が許可されている地区

山梨県の例→山梨県鳥獣保護区等位置図

このリンクをご覧いただくと分かる通り、実は猟が禁止されている地域は少ないです。(地図に示されていない場所でも、住宅密集地、市街地、公道、公園、寺社境内等は禁止されています)

曖昧な規定であったり一部のルールを守らない狩猟者がいたりで、狩猟者と住民間でトラブルが起こっているケースがあります。

ですので、気に入った土地がどの区分に該当する地域なのかを確認するとともに、自治体に狩猟に関する苦情の有無を確認したり周辺にお住いの方に話を伺ったりしてみると実態が分かると思います。

かお

直接聞くのが不安でしたら、不動産会社を通して確認をお願いするといいですよ

尚、冒頭から狩猟と書いてきましたが、銃や罠を使った鳥獣捕獲には以下の2種類があります。

狩猟

趣味や食肉を得るため行うもので、定められた期間(自治体によるが多くは11月15日~翌年2月15日)でのみ許可されている

許可捕獲(有害鳥獣捕獲)

鳥獣による田畑への被害防止等が目的で、許可申請をすれば年中いつでも可能。捕獲場所も緩和される

既に述べたように事前に調べることで、最低限身の安全を守ることは可能です。

しかし、発砲音が聞こえることなどは、自然豊かな場所での田舎暮らしにはある程度つきものと考えておいた方がいいかもしれません。

実際に狩猟に関する問題が起こり、住民運動をされたことが書かれている本を最後にご紹介しておきますね。(私が移住した山梨県北杜市の方の本です)

健康に関わる2つの注意点

最後は、健康に関する注意点です。

農薬による健康被害を極力避ける

土地探し・家探しで、農薬による健康被害を考える方はもしかしたら限られているかもしれません。

しかし、化学物質過敏症の方や幼いお子さんがいるご家庭、犬猫などの動物と暮らしている方は、気になるポイントではないでしょうか。

近くで大規模な慣行農法(農薬や化学肥料を使った農業)を行っている場合や除草剤を大量に散布している場合、健康面に影響が出る可能性があります。

かお

除草剤で亡くなる犬や猫もいるので気を付けたいですね

私は不安があったので、土地探しの条件の一つにしました。

また、松くい虫の影響で松枯れに多くあっているアカマツ林に、ドローンなどの無人飛行機を使って薬剤を空中散布する地域があります。

健康被害や自然環境への影響を訴える住民運動が起こり、その結果薬剤散布を中止している地域、害はないといって継続している地域とがありますので、気になる方は自治体の状況を調べてみてくださいね。

大気汚染を極力避ける

PM2.5や放射能汚染による大気汚染・・大気は当然ながら繋がっていますので、大気汚染を完全に避けることはできませんよね。

しかし、汚染状況を確認し、なるべく空気がきれいな場所を探すことは可能です。

かお

特に喘息もちの方や身体が弱い方はチェックしてみてくださいね

ここでは2点、確認する方法をご紹介します。

大気汚染の確認:日本の大気汚染:リアルタイム気質指数ビジュアルマップ

日本の大気汚染図

環境省大気汚染物質広域監視システム内のマップですが、リアルタイムで大気汚染の状況を確認することができます。

風向きなどの影響がありその時々で変わりますが、傾向をつかむことは可能ですね。

放射能汚染状況の確認:みんなのデータサイト

私は福島出身なこともあってこの話はとても悲しくなりますが、事実はしっかり確認したいと思っています。

同じ市町村でも、地形の違いなどにより少し離れただけで数値が変わってきます。

このサイトは、福島第一原発事故以降、土壌・空間・食べ物などの数値を市民がコツコツと調査し、データベース化したものです。

調査した場所がピンポイントで掲載されているので、参考になると思います。

本も出版されており持っていますが、事実に基づいた分析をしており、何に注意すべきかなど知りたいことがよくまとまっていますよ。(「2011年のあの時・いま・未来を知る」版と「増補版」との2冊が出版されています)

まとめ:田舎の土地を購入する前によく確認を

以上、ここまで田舎で土地や家を探す時に注意したいことをまとめました。

土地・家探しで注意したい12のポイント
  1. インフラ整備されているか
  2. 境界線がはっきりしているか
  3. 土地の地目が農地ではないか
  4. 樹木の伐根が必要ではないか
  5. 傾斜地かどうか
  6. 災害にあう危険性が低いか
  7. 隣地の空き地はどんな状況になっているか
  8. 新たな道路計画や大規模開発予定がないか
  9. 土地や隣地の樹木は落葉樹か常緑樹か
  10. 狩猟禁止エリアか
  11. 農薬による健康被害を極力避ける
  12. 大気汚染を極力避ける

田舎での暮らしは、都会では味わえない素晴らしい景色や空気があります。

その反面、都会では考えることもなかった不安や心配事が起こる可能性があるのも事実。

何が許容できて何が譲れないか・・これを考えておくことも必要だと感じます。

この記事でまとめたことは、都会でも共通する点も含まれていますが、田舎で土地や中古住宅を探したりする際に是非チェックしてみてくださいね。

素敵な土地と出会えますように。

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