結婚したばかりの頃、新築で売り出し予定だったタワーマンションの高層階を購入し、約10年住んでいます。
タワーマンションを購入した理由は・・
- 眺望が期待できる
- オシャレなデザインが気に入った
- 洗練されたイメージがある
- 駅から近くて利便性が高い
- 通勤も電車一本で楽な立地
これらが主な理由です。
「洗練されたイメージがイイ」なんて今の価値観と全然違ってて自分でもびっくりです
入居当時はメリットだと思っていたことが、後にデメリットと感じるようになったり、便利だけどなくても全然イイよねと思うようになったり・・・
私の生き方や価値観の変化などと共に、タワーマンションに対する考えは変わっていきました
「どんなところに住むか」は、その人の考えを映し出すものだなぁと感じます。
タワーマンションといっても様々ですが、私が10年暮らしたタワマンで感じた、メリット・デメリットをお伝えします
タワーマンション暮らしのメリット
まずはメリットからお伝えします。
眺望が良く、周囲の目線が気にならない
上京してから、暮らしていて一番イヤだなぁ・・と思っていたのは、窓から見える景色。
カーテンを開けたらお隣さんと目が合った・・みたいな家は避けてきました。
それでもやっぱり隣の建物が近かったり、閉鎖されたような空間だったりして、それだけで気持ちが暗くなるような気がしていたんです
なので眺望が良いタワーマンションというのは最高でした。
- 目の前がスカッと抜けていて気持ちがいい
- 他人の目線が気になるようなことがない
これが一番メリットに感じたことです。
セキュリティが安心
セキュリティは、過去に住んだマンションやアパートと比べ物にならないくらい、安心でした。
- 24時間有人管理
- オートロック
- 複数の防犯カメラによる監視
何か不審なことがあった時は、管理室に連絡をすることで、すぐに対応してもらえます。
ゴミ出しや宅配ボックス、クリーニングサービスなどが便利
何がいいって、やっぱり便利なことが多いことです。
ゴミ出し
ゴミ出しスペースは各階にあり、いつでも何でも出すことができます。
※ゴミ出しは1階にしかなくて逆に大変なタワマンもあるようです・・
年末年始と日曜日以外、毎日回収してくださるので、とても衛生的だし便利だしで助かりました。
宅配ボックス・クリーニング
ポストに届いている物は下までとりに行く必要がありますが、急ぎでなければ外出ついでに済ませます。
留守の時やすぐに対応できない時は、宅配ボックスにいれてもらいます。
宅配ボックスにクリーニングサービスもついてますが、初めて使ったのは、新型コロナウイルスが流行りだしてからでした
普段は安くて丁寧な他の店舗にだしていましたが、人との接触をなるべく最小限にしたいと思った時、このシステムはとても便利に感じました。
忙しい都会のライフスタイルには、タワーマンションの暮らしは合っているかもしれません。
地震の際の不安が少ない
夫の亡き父が一級建築士なのですが、タワーマンションの購入を検討していた際、夫が構造面などについて相談していたそうです。
義父から安心して良いとのお墨付きをもらい、購入することになったのですが、確かに地震の時などはかなり安心感があります。
タワーマンションといっても構造面は様々ですが、うちのマンションは耐震構造です。
体感としてはこんな感じでした。
- 震度3くらいまで
-
ほとんど揺れを感じない
- 震度4以上
-
グラーングラーンという揺れ方をしたり、「ギーッギーッ」「ミシッ」なんていうドキッとする音がしたりする
外から見たら、他の建物より揺れていて怖い・・と思うかもしれません。
揺れている時間が長く、大きな地震の時は酔うような感覚がありますが、崩壊するような恐怖感はありません。
3.11の東日本大震災の日は、自宅のワイングラスやテレビが倒れて大変なことになっているだろうと恐々として帰宅しましたが、まったくの無傷でした。
たぶん、今後も大きな地震にも耐えてくれるのではないかなと感じています。
資産価値が下がりにくい
これは夫がよく言うことです。
ローンの支払いをしている立場としては、とても重要なことですよね。
うちのマンションが時々売りに出ているのをみると、購入額と同等かそれ以上の値がついています。これにはびっくりです。
タワーマンション暮らしのデメリット
続いてデメリットです。
管理費が高い
メリットで見てきたような便利な点は、当然ですが、管理費として反映されます。
中には、ジムやプール、ゲストルームなどの共有施設を備えたタワーマンションもあり、それがない我が家はまだマシなんでしょう。
しかし、維持するだけでも通常のマンションよりお金がかかります。
- 年に4,5回ある窓ガラス清掃は、ゴンドラを使って行われる
- 景観を維持すべく、植栽管理も結構頻繁に行われている
- 24時間有人管理なので、それだけの人件費が必要になる
高い管理費を支払うだけの価値があるかどうか、よく検討した方が良さそうです。
エレベーターや駐車場の待ち時間が長い
エレベーターがくるまで、遅いと5分とか、ひどい時は10分くらいかかったことがあります・・
これは結構なストレスになりますね
高層階と低層階でエレベーターがわかれているタワーマンションもあるようですが、うちは違います。
朝の通勤通学ラッシュ時や引越し業者さんがきている日なんかは結構大変・・。駐車場も機械式なので、車の出し入れが重なると順番待ちしなければいけません。
余裕をもった行動をしないとイライラしてしまいますね。
顔見知りの宅配業者さんは、タワマン内の移動が大変だからみんな「宅配ボックスに入れて」と言ってほしいとおっしゃってました
災害に弱い面もあり、リスクを伴う
メリットで地震に対する安心感をのべましたが、災害に強いかというとそうとも言えない部分もあります。
2019年の台風19号で、武蔵小杉のタワーマンションが大変な被害にあったことは記憶に新しいところではないでしょうか。地下にあった電気設備が浸水により壊れ、停電と断水の日が続きました。
この地域は合流式下水道だったようで余計に地獄・・
タワーマンションの武蔵小杉で糞便逆流
台風19号から一夜明け、トイレ復旧まで1ヶ月そこまでして東京に住みたい気持ちが、本当に分からんなう pic.twitter.com/ZYHUyv49za
— もうE嬢 (@mou_ejou) October 13, 2019
電気を使って上階まで水道水を汲み上げているので、電気系統がやられると断水も起こるんですよね・・うちのマンションも同様の仕組みなので、停電になったら水もとまります。
停電で他に困るのは、エレベーターが使えなくなること・・これは高層階に住むなら覚悟しなければいけないことです。
東日本大震災の後の計画停電が帰宅時間と重なってしまい、階段を使ったことがありますが、あれはもう経験したくありません・・
健康だったから頑張れば済みましたが、お年寄りや障害のある方なら、家から出れない・帰れない事態に陥ります。
室内がバリアフリーでも、停電時のリスクが大きいように思います。
強風でベランダの洗濯物干しや周囲を歩くのが大変
タワーマンションの周辺は、ビル風がすごいです。
最寄り駅高層マンションが多いから今日みたいに風が強いとビル風が本当に酷くって。
半年位前に出来たタワーマンションの影響で会社の守衛所の辺りが特にビル風が強くて
自転車を引きながら歩いていたおばあちゃんが強風に煽られて自転車ごと転倒してた。
怪我はなかったみたいだけど危ないよ。— 緑👓推し猫はボンバルリーナとスキンブルシャンクス🐾 (@ryoku19946910) February 17, 2017
ほんとこれ・・私も自転車をおしていて何度か倒れたことがあるし、動けなくなったことがあります。
うちの場合は、近くに他のタワーマンションはありませんが、それでもビル風がすごいので、湾岸エリアなどの林立しているところは相当だと思います。
事故を防ぐため、ベランダに洗濯物を干してはいけないタワーマンションもあるようです
騒音やニオイが気になることがある
私は騒音とニオイに悩まされました。
騒音については集合住宅であればどこでも言えることでもあるし、逆にタワーマンションでも構造が異なっていれば該当しないケースもあると思います。
- 上階からの足音
- ベランダで話したり電話したりしている人の声
- 電車やサイレン、選挙演説やイベントの音
駅前なので、余計にうるさいのでしょう。音は上に向かって響くそうですね・・。
窓を閉め切っていても、24時間あけておかなければいけない通気口から響いてきます。どうしても我慢できない時は閉めていました。
また、ニオイについては、香水や柔軟剤のニオイが、エレベーターや内廊下にこもっていたり、ベランダから漂ってきたりします。
ベランダの場合はすぐに窓を閉めて対策できますが、エレベーターや内廊下の場合はひたすら我慢です。
犬との暮らしには向かない
うちは「ペット可」のタワーマンションです。
しかし、ペット可であることと、ペットが快適に暮らせるかどうかは別問題でした。
上記の記事でも少し触れていますが、うちのタワーマンションでは犬との暮らしは向かないなと思ったのには、いくつか理由があります。
- 犬をベランダに出してはいけない/すぐに外に出れない
-
犬の自由が制限される
- 共有部分では犬の身体全体を覆い隠すクレートなどにいれて移動
-
そのようなことに恐怖を感じたり苦手だったりする犬にはストレスになる
- 設備点検や清掃の日程が決められている
-
回避しきれないことがあり、犬に負担をかけてしまう
- 刺激になるものから距離をとりにくい時がある
-
苦手なことが増えたり興奮しやすくなったりする
- 犬を嫌う住人からあからさまに嫌がられることがある
-
その空気が犬に伝わる
犬と同じように、またはそれ以上に、豊かな感情や研ぎ澄まされた感覚があります。なので快適な居住空間をつくってあげたいと思っています。
しかし、タワーマンションでの暮らしは、どうしても大多数の人間に合わせるルールが生じます。
それによって、犬に負担をかけたり自由を制限したりすることがあり、もう少しのびのびと暮らさせてあげたいなと感じるのです。
健康被害の可能性がある
タワーマンションに住むことによる健康被害。
日本では何の規制もありませんが、イギリスやアメリカなどの欧米では、健康被害を及ぼすとして規制が設けられています。
例えばイギリスでは、育児世帯は4階以上に住まないように規制されているのだそう・・。
実際住んでみてどうだったかというと、関連性は分からないので「可能性」としますが、健康への影響を疑っています。
- 特に風が強い日などは、頭痛や耳痛があり、体調が優れない
- エレベーターで一気にあがると耳に違和感を感じる
- 外に出ない日が続くと倦怠感を感じる(外に出るのも時間がかかるので引きこもりがちに・・)
私の友人も都内のタワーマンションの高層階に住んでいましたが、同じように感じているところがあったようで、同マンションの低層階に引越しをしました。
夫は特に不調を感じないようなので体質の違いもあると思いますが、厚生労働省はただちにタワマンの健康被害を調査すべきと考える理由という記事では、健康被害にエビデンスがあるとかかれています。
まだタワーマンションが珍しかった1994年に発表された驚愕データがある。当時の厚生省や労働省などからの依頼を受け調査した東海大学医学部の逢坂文夫講師の論文によると、流産・死産の割合は、1~2階で6.0%、3~5階で8.8%、6階以上で20.88%、と高くなるにしがたい増加するというのだ。
流産・死産以外にも下記のような健康被害があるのだそうです。
- 低体温の幼稚園児の割合増加
- 耳鳴り、めまい、不眠の症状がでやすい
- 関節痛や腰痛を訴える人が多くなっている
- 自然の音から遮断されることによる情緒障害
- 喘息や鼻炎などのアレルギー性疾患の増加
やっぱり高層階に住むって、人間として不自然なことなんじゃないでしょうかね。
実際住んだ身としては、健康被害があってもおかしくない・・という気がします。
参考記事
・本当は怖いタワーマンション!? 絶景眺望の落とし穴「高層階症候群」とは?
・ タワーマンションの高層階に住むと健康に悪影響か 専門家が指摘
・厚生労働省はただちにタワマンの健康被害を調査すべきと考える理由
まとめ:個人的にはタワーマンションに長くは住めないと思った
タワーマンション暮らしのメリット・デメリットを改めてまとめてみます。
タワーマンション暮らしのメリット
- 眺望が良く、周囲の目線が気にならない
- セキュリティが安心
- ゴミ出しや宅配ボックス、クリーニングサービスなどが便利
- 地震の際の不安が少ない
- 資産価値が下がりにくい
タワーマンション暮らしのデメリット
- 管理費が高い
- エレベーターや駐車場の待ち時間が長い
- 災害に強いようで弱い面もありリスクを伴う
- 強風でベランダの洗濯物干しや周囲を歩くのが大変
- 騒音やニオイが気になることがある
- 犬との暮らしには向かない
- 健康被害の可能性がある
移住して戸建てに住む身ですので、デメリットの方が多く感じているのが正直なところですが、なるべく公平な視点でお伝えできるよう努めました。
タワーマンションでの暮らし。感じ方は人によって違いますし、何年も住んでみて分かることもあります。
立地・利便性・サービスなどにおいては優れており、多忙な生活を送る人にとっては良い選択かもしれません。
個人的には、自然とはかけ離れたタワーマンションの暮らしはメリットよりデメリットの方が大きいと感じますが、ライフスタイルやどう生きていくかによって評価が変わってきそうですね。