地方移住したいと思った時に、「あの地域」とすぐ浮かびますか?
私たちは移住を考え始めた当初、これまで旅行で行った地域や住んだことがある地域をぼんやり考えていました
地域を絞るのはなかなか難しいですし、まだ知らないけれど自分たちに合っているかもしれない地域なんかもあるかもしれませんよね。
この記事は、
- 候補地がまったく浮かばない方
- 候補地はあるもののなかなか絞れない方
- 本当にあの地域でいいかな?と再確認したい方
そんな方に向けて、
これらをまとめてみました!
「地方」を4つに分類!それぞれの特徴と向いてる人
地方移住と一言で言いますが、「地方」といっても色々ですよね。
どんな地方を選ぶかによって、暮らしやすさが変わってくるといっても過言ではありません。
- 離島や過疎地域
- 地方郊外
- 別荘・観光地域
- 地方都市
地域を分類する正式な定義は定められていませんが、ここでは地方を上記4つに分けて考えてみますね。
あくまでも、すべての地域に該当するわけではなく、一般論なのでご了承ください。
離島や過疎地域
まさに「ザ・田舎」を味わうことができる、自然あふれる地域。
インフラやサービスは不足しているので、生きる力が試されます。その分、地域住民との結束が強いこともあります。
地方郊外
過疎地と地方都市の中間にあたる地域
【例】
- 福島県喜多方市
- 群馬県桐生市
- 岐阜県高山市
- 香川県さぬき市
- 熊本県阿蘇市
普通に生活する分には特段困ることはない地域。
場所を選べば田舎らしさも味わえるので、いいとこどりができるかもしれません。
別荘地・観光地エリア
別荘が多い、または観光で栄えている地域
【例】
- 栃木県那須塩原市
- 千葉県館山市
- 長野県軽井沢町
- 山梨県北杜市
- 静岡県熱海市
別荘地や観光地は、自然が豊かなだけでなく、それを美しい状態で維持しようと町全体で取り組んでいる地域が多いです。
移住者のコミュニティもあるため、都会から移住しても馴染みやすいのが利点。
地方都市
首都圏・関西圏・中京圏以外の県庁所在地や政令指定都市
【例】
- 北海道札幌市
- 宮城県仙台市
- 新潟県新潟市
- 広島県広島市
- 福岡県北九州市
大都市の暮らしから急に田舎暮らしをするのが不安な場合、まずは地方都市に移住してみるというのもあり。
近隣の田舎を見に行くなら頻繁に行けるので効率的ですし、情報を収集しやすいです。
移住先の地域選びで考慮したい5つのポイント
では、具体的にどのような点を考慮して地域を選んだら良いでしょうか?
- 会いたい人との距離を考慮する
- 自分たちの状況を考慮する
- 移住してやりたいことや目的を考慮する
- 暮らしやすさを考慮する
- 直観を大切にする
以上の5つの視点でご紹介します。
会いたい人との距離を考慮する
・・あなたには定期的に会いたい人がいますか?
- 両親や親兄弟
- 独立した子ども
- 親友
- 尊敬する恩師や先輩
もしいるとしたら、まずはその方との距離を考えておきましょう。
私たち夫婦はあまりそのような感覚がなく、お盆や正月に帰省もしません。
しかし、結果的に、なんとか双方に車で行ける場所になったのは、心のどこかで気になっていたからかもれません。苦笑
災害やパンデミック・・何が起こるか分からない中、公共交通機関や車など2つくらいの移動手段があると、より安心ですね。
自分たちの状況を考慮する
続いて自分たちが置かれている状況や、将来設計をまとめてみましょう。
年齢や体力
高齢だったり体力がなかったりすると、不便な場所での暮らしはなかなか大変になります。
移動手段が車しかない場所だと、免許返納をしてしまったらどこにも行けないような状況に。
そうなった時に備え、以下を考えておきましょう。
- また別のところへ移住する前提で移住先を選ぶのか?
- もしくは終の棲家にする覚悟で移住先を選ぶのか?
これによって移住先が変わってくるので、ある程度見通しを立てておくことが大切です。
子どもがいるかどうか
子どもがいる場合、次の2点は最低でも確認しておきましょう。
- 学校が徒歩圏内にあるか(スクールバスが通っている地域もあります)
- 廃校になってしまうほどの過疎地ではないか
習い事はやはり都会の方が選択肢が多く機会に恵まれます。
一方で、自然豊かな環境下だからこそ育まれる心の豊かさのようなものも大いにあるでしょう。
子どもの意見も聞きながら家族みんなで決めていきたいですね!
現時点で子どもがいなくても、将来的に子どもを授かることを願っているのかも含めて考えておきましょう。
仕事と収入
言うまでもありませんが、
- 住まいがどこになってもやっていける仕事なのか
- 今の仕事を継続したまま移住したいのか
- 移住先で新しい仕事を探したいのか
- 農業や林業など田舎ならではの仕事をしたいのか
などによって、どの地域を選ぶかが変わってきます。
一般的に地方での仕事は収入が下がりますが、首都圏や地方都市に近い場所であれば、収入を維持することも可能です。
実際に、新幹線通勤をしている方や、車で2時間かけて通勤している方もいます。
毎日だと体力がいるのでそれを継続することができるか慎重に考えたいですが、月の半分ほどに抑えることができる職種等であればまだ現実的ですね。
また、新型コロナウイルスの影響で、テレワークで仕事ができている人も多くいると思いますが、コロナ禍がおさまった後も継続して今の勤務形態を維持できるでしょうか?
この辺りも考えておきましょう。
移住してやりたいことや目的を考慮する
地方移住を希望しているなら、きっと田舎でやりたいことや目的があるはず。
それが叶えられる地域なのか、よく吟味してみましょう。
趣味や新たにやりたいことがあるか
- 登山
- サーフィン
- スキーやスノボ
- ゴルフ
- キャンプ
- 家庭菜園
- ガーデニング
などなど、趣味やこれからやりたいことなどがありますか?移住候補地はそれが可能でしょうか?
例えば家庭菜園。葉物やハーブなどちょっとしたものを育てられれば満足なのか、自給自足を目指したいのかで全然違います。
自給自足するためには、広い庭がある家か、貸してもらえる広い畑がある地域を選ぶ必要がありますね。
私は将来的に登山をしたいと思っていたのと、そもそも山が好きなので山に囲まれたところを希望しました!
目的が達成できるか
- 健康改善
- 勉強に集中したい
- 自己実現したいことがある
- いろんな経験を積みたい
移住して実現したい目的はありますか?
その目的の内容によって、向いている地域とそうではない地域とがある場合があります。
例えば私の知り合いは、幼少の頃に身体が弱く、健康改善のために家族で軽井沢に移住したそうです。
空気がきれいで環境がとても良いですからね・・今は虚弱だったのが嘘のように元気です。笑
暮らしやすさを考慮する
地方移住は理想だけでは語れません。
自分にとって暮らしやすい・過ごしやすい地域かどうかを見極めましょう。
気候が合うか
暑さ寒さはもちろん、積雪量や風の強さなどを確認し、気候が合いそうかどうかを確認しておきましょう。
よくあるのは「雪が見たい!」という夢をもって移住したら、雪かきがとんでもなく大変だったという話・・。
そこに定住してまで夢見ることなのか、旅行などで体感できればいいことなのか、冷静に考えてみましょう。
災害リスクが低いか
- 地震
- 火山
- 水害
- 津波
これらのリスクが低いところへ移住するに越したことはありません。
災害リスクについては、「移住先での土地探し12の注意点!知ってほしい田舎特有なことも」の災害にあう危険性が低いかでもご紹介していますので、確認してみてくださいね。
利便性が最適か
都会から地方へ行くなら、利便性は確実に下がるでしょう。
それをどこまで許容しておけるかを考えておくことが大切だと思います。
また、「利便性」は人によって基準や考え方が違うので、自分にとって利便性が最適かどうかも確認しておきたいところです。
例1:ゴミ捨ては車で行くほど遠くなった
これを大変だと思えば利便性が悪いとしか言えませんが、そのおかげで買い物が減り、何でも自分たちで作ろうとし、ゼロウェイストを進めることができるなら、利便性が悪いとは思わなくなるでしょう。
例2:車での通勤が必要になった
車が必須な生活は、一般的に利便性が悪いと捉えられます。
移動のために車を使うことが環境破壊だと考えている人にとっては、都会の方が環境負荷が低いと考えるでしょう。一方で都会では食糧は遠方から届くことが多いため、輸送に関わる環境負荷が高いとも言えます。
このように、何をもって利便性が良いと言えるかは、自分の考え方によって大きく変わってくるでしょう。
医療機関が近くにあるか
まだ若いから・・健康体だし・・そう思っていても、いつ病院にお世話になる日がやってくるか分かりません。
そんな時に、頼れる医療機関がほとんどないのはちょっと不安です。
脅すような発言で恐縮ですが、万が一の時に手遅れにならないよう、最低でも1時間以内くらいに行ける場所に、総合病院などの大きな病院があると安心だと思います。
その地域の食が合っているか
うちは外食はしません!という方なら気にしなくていいと思いますが、たまには外食もしたいですよね?笑
ご近所さんにお裾分けをいただくこともあるかもしれません。
その地域の食が自分の好みに合っているかは、暮らしの満足度に影響を与えることの一つだと感じています。
例えば私は
- 甘い料理全般、特に甘い味噌は苦手
- 味付け濃いめは避けたい
- オーガニック料理店やヴィーガン料理店があったら嬉しい
必須条件ではありませんが、一つのポイントで調べてみるといいですね!
スーパーの質や価格帯はどうか
是非チェックしてみてほしいのは、その地域にあるスーパー。
- どんなものが置いてあるか
- 物価は安いか高いか
- 品揃えはどうか
ネットショップを活用しまくっている我が家ですが、生鮮食品や今日必要!ってものがあるので、スーパーには定期的に行っています。
生活費や満足度に関わってきますよね
これまで旅行などで訪問した地で行ったスーパーを見ても、全然違うのが分かりました。
- ある離島のスーパー(個人店のような)では、品数が少なくおにぎり2個で500円!
- 別荘地エリアのスーパーは、品揃えは最高だけど価格帯は都心と同等!
- 移住者が多いエリアのスーパーは、有機野菜などもあり比較的品質が良い!
買い物に拘りがある方は特にチェックしてみてくださいね。
移住者が既にいるか
私は実際に移住してみて、これが結構大事だったなぁと改めて思いました。
移住者が既にいると、その地域で土台が既につくられていますし、新しい移住者にとっても暮らしやすい可能性が高いです。
残念ながら、他の地域から来た人を余所者扱いして、あまり受け入れない地域もあります
私が移住した地域でも、初期に移住した方は、ご近所の方から挨拶さえしてもらえなかったとおっしゃっていました。
ですが私が移住した時には、稀にそんな方もいますがごく少数で、気持ちよく暮らすことができています。
移住者が集まってくる地域は、やっぱりそれなりの理由があるのだと感じます。
直観を大切にする
最後のポイントは「直観」。
これは移住先に山梨県北杜市を選んだ6つの理由でも触れたのですが、直観って言葉では表現しにくいけど、結構重要な点だと感じます。
- そこに行くと何となく心地良い
- 水や空気が合う気がする
- なんか呼ばれている気がする
最後のはちょっと宗教チックになってしまいましたが(苦笑)、でもこういうのってありませんか?
- オシャレでキラキラした場所だけど、ちょっと緊張する
- 自然豊かだけど、気持ちがなぜかザワザワする
その地域に行ってみて感じた感覚を、是非大切にしてみてくださいね。
それでも移住候補地が見当つかない時はどうする?
この記事を読んでいただいて、やっぱりまったく見当がつかない!という方は、次の方法で候補地探しをしてみてください!
大前提:諦めない
初っ端から精神論になりますが、まず最初に、「絶対に移住する」という決断をすること。
私たちは3年間、移住先を探し続けたからこそ、改めてそう思います。
もちろん、移住をしない方がいいという結論だってあるかもしれません。
無責任かもしれませんが、それは移住した後に出してもいい結論だと思います。
誰しも食わず嫌いなものを食べておけば良かったと思うことがあります。
地方移住もそれと同じ。なのでまずやってみる!そのために決断する!そしてやり続ける(移住先を探し続ける)ことが重要だと思います。
ニセコへ移住されたアラコさんもおっしゃっています。
「絶対に移住を叶える」という強い意思をもってTwitterも続けてきた結果、ニセコ暮らしを満喫されています。
とはいっても、具体策が必要だと思いますので、以下もご参照ください
移住関連サイトで情報収集する
各自治体の魅力や家・仕事・支援制度などを紹介し、地方移住を応援する団体のサイトがいくつかあります。
ニッポン移住・交流ナビ
JOIN(一般社団法人 移住・交流推進機構)のサイトです。
各自治体の魅力や家・仕事・支援制度などを幅広く紹介しており、「あ、ここ良さそう」という地域を探すのに役立ちます。
ちなみに私はJOINが主催する全国の自治体が集まる移住フェアに参加しましたが、今のコロナ禍ではオンラインで開催しているようです。(2022年の開催予定はまだ出ていません)
移住マッチングサービス「ピタマチ」
凸版印刷株式会社が運営するサイトで、これ面白いです。
「理想の暮らし診断」(メールアドレスで要登録・無料)を受けて、移住先の候補地を探すことができます。
診断結果をもとに、気になる地域の情報に絞って探していくことができます。更に「移住プロフィール」に詳しい希望を入力すると、マイページに希望に合った地域からお便りが届くそう!
実は移住前にこのサイトは知らなかったので、この記事をかきながら診断テストをやってみました。
オススメ地域がいくつか出ましたが、確かに興味をそそる地域が多かったです。
私が移住した北杜市はありませんでした。笑
気になった地域の自治体HP見てみる
自治体によって、移住者の受け入れに力を入れているかどうかはまちまちです。
特設サイトを開設しているところは特に移住者を歓迎しているはず。
移住者支援に加え、その町がどんなところで、何に力を入れようとしているのかを確認してみましょう。
特に子育て支援では大きな違いがあるので、お子さんがいる家庭では要チェックです!
Googleマップを活用しまくる
いくつか気に入った地域が見つかったら、Googleマップで確認してみることをオススメします。
自然の多さや住宅密集具合、利便性(路線やお店の有無)などを、大まかにですが一目で把握できるからです!
特に「航空写真」で確認すると分かりやすいですよ。
気になったところはストリートビューで更に見てみると、雰囲気も分かっていいです。
たまに売却中の看板が出てきたりして面白いです。
これがキッカケになるなんてセレンディピティもあるかもしれません。
具体的に土地や家探しを始めた時に、遠方でなかなか行けない時にも周辺の様子含めて確認できるのでオススメです!
実際の様子を知るべく移住者ブログなどをチェック
- そこに住んだらどんな生活が待っているか?
- 困っていることはないのか?
- 移住者は後悔していないか?
もちろん移住して感じることは人それぞれですが、自治体の公式サイトなどでは知ることができない実際の暮らしを垣間見ることができるのでオススメ。
候補地を絞れてきたら、ブログ、Twitter、インスタグラムなどで是非見てみてくださいね。
まとめ:5つのポイントを踏まえて移住先の候補地域を絞ろう
この記事では、5つのポイントに絞って移住先の地域探しを提案しました。
地方と一言でいっても全然違い、移住後の暮らしに満足できるかどうかも変わってきます。
この記事を参考にしていただき、地域探しに役立てて頂ければと思います。
なお、私たちが移住先を八ヶ岳南麓の北杜市に決めた理由も下記の記事でご紹介していますので、良かったら読んでみてくださいね!
地域が絞れて、土地探しや家探しを具体的に進めたい方には下記の記事もオススメです!