このサイトの最初の記事は、私たちが地方移住を決めた理由について、書き留めたいと思います。
一言で理由をいってしまうと、「価値観の変化」です。
私は福島県郡山市の出身ですが、地方都市の住宅街なので、田舎っぽさをあまり感じず過ごしました。
夫も広島出身で、常に駅近マンション暮らしで戸建てなんて絶対嫌だと言っていました。
2020年6月現在は、首都圏の駅前タワーマンションに住んでいます。(2021年4月移住済)
もちろん、今の暮らしにも良いところがあります。
- やっぱりどこに行くのも便利
- セキュリティも安心
- ゴミ捨ても楽々
- 病院やお店の選択肢がたくさんある
特に夫は、視界を遮るものがなく、街中の景色を見渡せるこのマンションを、超気に入っています。
そんな私たちが、地方に移住して、田舎暮らしを満喫したいと思うようになるとは・・思ってもいませんでしたね。
私たちが移住を検討することになったキッカケ
移住を検討することになった大きなキッカケは、犬を迎えたことなんです。
うちのマンションは、「ペット可」だから大丈夫だねっ!と、深く考えずに犬を迎えました。
しかし、いろいろと細かい飼育規則があり、しかも駅前という騒がしい環境の中、犬にとってストレスだな・・と感じる場面に多々でくわすようになったのです。
そして、単に「犬にとってストレス」と思っていたことが、いつしか、私たち人間にとってもストレスと感じるように。
そんな中でも最大限リラックスしてもらえるよう環境を整えると、少しずつストレスが減り、体の力がユルユルと抜けて過ごせるようになっていきました。
そんな犬の姿を見て、心底嬉しくなりました。
どんな環境で暮らすかってすごーく重要なことなんですよね。
もっと豊かな環境の中で、犬と暮らしたい!!と思うようになりました。
そして、犬との暮らしは私たちに、
本当に大切なこと、大事にしたことって何だろう
私たちが生きていく中で実現したいことって何だろう
ということを考えさせる機会を与えてくれたんです。
地方移住を決めた具体的な理由5つ
理由1:ストレスフルな環境から脱してスローライフしたい
都会の暮らしは言うまでもなく、便利です。
ですが、便利と感じるより、ストレスと感じることの方が圧倒的に大きくなってしまったのです。
例えばどんなことをストレスに感じるかというと・・
- イライラ、セカセカ、疲弊している人の多さ
- 犬を毛嫌いする人からの冷たい視線や言葉
- 駅前での演説やイベント、サイレンなどの騒音
駅前に住むのを選んだら、想定できることだったと思います。
しかし、これらは当初はあまりストレスとして感じていなかったことなのです。
イライラ、セカセカ、疲弊している人の多さ
都会は洗練されてオシャレなイメージがありました。
それはほんの一面だし、もうそこに価値を感じません。
通勤時間の満員電車・・疲弊し殺伐とした空気はやっぱり異様です。
ちょっとしたことを機に、押し合いや言い合いが始まった時にはもう地獄。
大混雑時には、電車からまだおりたい人がいるのに、何としてでもその電車にのろうと押し入ってくる波にのみこまれたり。
仕事が終わったと思ったら、保育園から子どものお迎えをして、ぐずる子どもに激怒している親御さんたち。
イライラがとまらず、怒鳴ったり叩いたりしているのを目撃したこともあります。
駅の構内や道端で、転んだり気分を悪くしたりしている人を見ても、だいたいみんなスルーです。
犬を毛嫌いする人からの冷たい視線や言葉
犬と暮らすようになってからは、他人との関わりの中で嫌な思いをすることが何度かありました。
エレベーターに犬連れで乗っているだけで、怪訝な顔をされたり嫌味を言われたり。
広い道で散歩をしていても、わざと幅を寄せてきて通っていく人もいます。
もちろん、好意的に接してくれる人もいて、それにとても救われました。
駅前での演説やイベント、サイレンなどの騒音
騒音問題はなかなかのストレスになります。
上記以外にも、マンションの住人の方の足音や、ベランダでの電話に悩まされたことがありました。
たまに刑事事件に発展するくらいですから、集合住宅に限らず密集地域の戸建てでも、騒音問題に悩む人は多いのではないでしょうか。
お互い様の部分もあって難しいことではありますが、互いにストレスにならないよう、配慮し合う必要はあると思います。
いろいろと書きましたが・・
「とにかく他者に寛容ではない。一方で他者の困りごとや協力し合いたいことに無関心でもある」という状態に、ストレスを感じるようになったのかもしれません。
そして残念なことに、そんな環境にストレスを感じつつも、私自身も少なからず染まっている部分があったのです・・。
こんなギスギスした気持ちで生きていくのは、もう終わりにしたい!心底思いました。
理由2:自然に近い環境で暮らしたい
マンションからの景色は、遠くの方に山が見えるけれど、とにかく家、家、家で、緑はほとんどありません。
マンションから外に出るまで、エレベーターが混んでいたり引越し作業があったりすると、5分以上待つこともあります。
犬の散歩場所も、近所はコンクリート道路に加え、広い公園などもなく、人も車も多くてリラックスできる環境ではありません。
とにかく自然が身近にまったくない!!!
外に出るのも億劫になる!!!
冗談じゃなく本当に思うのです。
土地探しのために地方へ行くと、車をおりて第一声が「いい匂い!!」でした
大袈裟に聞こえると思いますが、これ、ウルっと涙ぐんでしまうくらい、感動するんです。
自然豊かな地域で犬の散歩ができたら、どれだけ幸せだろう。
きっと喜んでにおい嗅ぎを満喫し、その後は爆睡だろうな・・
こんな話を聞きます
- 幼い頃、病弱だった知り合いは、田舎の祖父母宅で療養生活をして健康を取り戻した
- 地方に移住したら、犬がとても元気でイキイキと過ごすようになった
心身ともに、自然を求めていますし、今より健康でいられるように思います。
理由3:より持続可能でエシカルな暮らしを実現したい
人間以上に五感が優れた犬との暮らしを通して、大きく変わったことの一つ。
犬にとって不快なモノ・・化学物質や人工香料を避けることはもちろん、それまで以上に環境に優しい選択をするようになっていきました。
自然環境破壊、海洋汚染、野生動物の減少、貧困問題・・・
これらの問題と、自分の消費行動やライフスタイルは、深く繋がっています。
- なるべくモノを買わない
- 自分で作れるものは自分で作ったり、再利用したりする
- 買う時は、それがどこからきて、どのように作られたものかを確認する
動物や人間の権利を尊重し、環境をしっかり守るエシカルな選択をしていきたいと思っています。
マンション暮らしでは細々プランター菜園をしています。
- 無農薬無肥料の野菜を作り、買うことを減らしたい
- 天然コンポストを作り、ゴミを減らしたい
エシカルな選択をするなら、中古物件を購入すべきかもしれません。
中古物件ももちろん探したのですが、リフォームの必要性やエネルギーコスト、私たちの求める条件を優先することにしました。
いわばエゴで家を建てさせてもらうので、移住後はなるべくその地を汚さず、自然環境を再生していけるような生活していきたいです。
理由4:災害等に備え、少しでも安心安全な環境で暮らしたい
地球温暖化の影響もあって、年々災害が増えてきています。
首都直下型地震も、今後30年で発生確率70%と言われていますね・・。
そのような中、首都圏に暮らすというのはリスクが大きいなと感じています。
3.11の東日本大震災の時、私は東京駅ど真ん中にあるオフィスに勤務していました。
幸い、夫も同じ会社の同じオフィスに勤めていたので心強かったです。
しかし、情報がちゃんと入ってこない中、帰宅困難者となった不安は忘れられません。
- 食料や日用品の買い占めが起こり、入手することが困難に
- 道路の液状化現象や電車の脱線など、インフラがやられると一気に首都機能が停止
- 人口密集地での避難所生活は、更なるストレスをうむ
災害の時は都市の脆さが話題になりますが、本当にそうだと感じます。
しかし、日本中どこへ行っても安全という保障はないのでしょう。
このままでは地球温暖化は益々すすみますし・・
断層や原子力発電所がたくさんあるのですから・・
ただ、自分が被災者となった時に、どんな暮らしをしているかで、ダメージも変わってくるのではないでしょうか。
もしも、うちのタワーマンションで電気がとまったら・・
- 高層階から外へ出るのも一苦労ですし、水道も止まります
- タワー式の駐車場なので、車を出すこともできないでしょう
地方で戸建てに住んでいれば・・
- 前項でのべたように、日頃から多少なりとも自給自足の準備をしておくことができます
- 庭にテントをはったり車をつかったりして、避難することも可能です
もちろん、ハザードマップなどで災害リスクの低いところへ移住することが前提ですが、地方の方が、災害に備えた暮らしがしやすいと考えています。
理由5:管理されていない環境で暮らしたい
今、暮らしているマンションは持ち家なのですが、どこか持ち家と思いきれていない部分があります。
それは、マンションのさまざまな規則の中で、生活しているからかもしれません。
もちろん、地方に行っても、戸建て住まいであって、その地域ごとの決まりやルールなどがあるのは承知の上です。
それを守りたくないとか、自分勝手に生きたいと思っているわけではありません。
ただ、自分が大切にしたいなと思っていることがあっても、マンションの決め事が優先されるので、もどかしく思うことがあります。
例えば、マンションの敷地内の公園に殺虫剤が撒かれます。
小さな子どもが遊んだり、犬が散歩をしていたりするので、殺虫剤を撒くのは避けた方がいいと思い提案したことがありますが、変えることはできませんでした。
犬との暮らしにおいても、犬の飼育規則がいろいろとあって、窮屈に感じます。
守っていない人がいれば、すぐさま注意喚起の張り紙がなされ、晒し物のようにされていることがありました。
もしかしたら、規則を知らなかっただけかもしれないし、伝え方が他にもあるのではないかと感じます。
良い意味でとれば、
- 面倒なことは管理会社がやってくれる
- ルールに従っていればいい
といえるかもしれません。
しかし、私たちは、もう少し自分たちの暮らしを自分たちの価値観で決めて、のびのびと生きたいなと考えるようになりました。
マンションの美観とかより、安心安全に暮らしたい!
まとめ:価値観の変化が地方移住につながった
私たちが、移住を決めた理由は次の5つの点でした。
- ストレスフルな環境から脱してスローライフしたい
- 自然に近い環境で暮らしたい
- より持続可能でエシカルな暮らしを実現したい
- 災害等に備え、少しでも安心安全な環境で暮らしたい
- 管理されていない環境でくらしたい
一生、タワーマンション暮らしをすると思っていた私たち。
まさか犬を迎えたことをキッカケに、これだけ価値観や感覚が変化し、田舎に移住したいと考えるとは思ってもいませんでした。
ってことは、田舎に移住した後も、また変化する可能性がありますよね。
資金や家族などの事情でやれることは限られますが、その時その時の価値観を大切にし、生活の質を最大限あげられるような暮らしをしていきたいです。