田舎暮らしをしてみたいけど虫が苦手だから不安・・そんな思いを抱いている方はいませんか?
私も元々は虫が苦手で、滅多に虫がやってこないタワーマンション暮らし最高!と思っていました
そんな私も時には叫ぶこともありますが、以前に比べたら随分変わりましたし、虫を毛嫌いするような状態ではありません。
この記事では、虫への苦手意識を少しでも克服したいな~と思われる方に向けて、3つのポイントをまとめました!
もちろん田舎暮らしをしたい方だけではなく、家庭菜園をしたいけど虫が不安な方、都会暮らしだけど虫が怖すぎる方にも共通の話ですので是非読んでみてくださいね。
どうして虫が嫌い・苦手なのか考えてみよう
虫が苦手、虫嫌いと一言でいっても、人それぞれ理由があると思います。
- 見た目が無理・・
- 刺されたり噛まれたりしそうで怖い
- 自分が育てている作物や草花にとって害
- 虫なんていないほうがいいに決まってる!
理由の違いによって克服ポイントも違うでしょう。
どんなタイプの方に合う克服法かも含めて書いてみましたので、是非参考にしてみてくださいね!
4つ目にあてはまる方はこの記事にたどり着かないと思いますが、何かのキッカケで読んでくれたら嬉しいなという想いを込めて・・
虫の苦手意識を克服するための3つのポイント
それでは早速、虫嫌いを克服するために必要な3つのポイントをご紹介しますね。
ポイント① 虫の生態を知る
私がとても大切だと感じているのは、虫の生態を知ることです。
- それぞれの虫の特徴
- 虫同士の関係性
- 私たちの暮らしへの影響
一つずつ確認していきます。
それぞれの虫の特徴を知る
虫が嫌いな人、怖いと思う人は、何となくのイメージで思っている部分もありませんか?
私はそうでした。例えばハチ。
「ハチ=危険、刺す」と思いこんでいて、近くでブーンとハチが飛ぶ大きな音が聞こえると、「ギャー!」と言って逃げていました。
「その声の方が怖いわ!」と犬に言われました
でも、ハチと言っても様々な種類がいて、何もしてないのに刺してくるようなハチは滅多にいません。
刺激をしないように気を付けて生活していれば大丈夫。(絶対ではないから巣の近くとかには近づかないようにしましょう!!)
刺されたり噛まれたりしたら危険な虫はしっかり把握して、その虫がどんな場所に出やすいのかを理解することでむやみに怖がる必要はなくなりますね。
また、正直見た目が苦手だな・・大量発生していて気持ち悪いな・・と思う虫がいたら、あえてその虫のことを調べてみてください。
特徴を知ることで、興味深く感じることができたり親近感が湧いたりと、大らかな気持ちになれたりするんです。
私が驚いたのはアブラムシ。
アブラムシって気づいたらすごく増えていますが、春から夏の間はクローンで増えていくらしいですね・・!産まれる前から既にお腹の中にクローンがいるんですって・・。
更に姿を変えて進化するそうなんです!!!
群れが大きくなりすぎたり、吸汁する植物が枯れるなどして生息環境が悪化すると、群れの中から「翅の生えた雌成虫」がこつ然と出現し、空中を飛んで新しい餌場を探し、そこで新世代のアブラムシを産み、その数をどんどん増やしていく。なんとしたたかな繁殖戦略だろうか。
小川幸夫『農薬に頼らずつくる 虫といっしょに家庭菜園』(一般社団法人家の光協会、2018)
このように虫の生態を詳しく知ると、気持ち悪い!という感情よりも彼らを興味深く観察したい感情が湧き出てきませんか?
虫同士の関係性を知る
アブラムシの話を聞いて、こんな風に思われるかもしれません。
いやいや、そんなに増え続けたら困るじゃないか!野菜がダメになるよ
でも、生態系がちゃんと働いているんですよね。
アブラムシがいるところには、天敵のテントウムシやヒラタアブがやってきてくれます。ぐっと堪えて待ってみると、天敵がアブラムシを食べてくれて、大きな被害には至らないとか。
もし、そうはいかずアブラムシが増える一方なら、天敵が集まる環境がまだ整っていない可能性が高いので、天敵が隠れられるように、周囲の雑草を丸裸にせず残したり、バンカープランツを生やしたりすることで少しずつ変わっていきます。※肥料のやりすぎという可能性もあります。
このようなことからも、様々な虫が集まる多様性のある環境づくりをすることが大切であることが分かります。
我が家もそんな庭を目指して少しずつ環境を作っているところで、その変化も楽しみたいなと思っています
私たちの暮らしへの影響を知る
虫同士の関わりはとても大きいことが分かりましたが、私たち人間の暮らしにはどんな影響を与えているでしょうか?
例①:アリ
アリも何かと嫌われがちで、アリの巣ごと退治する農薬なんてのもありますよね。
アリは大変効率的な捕食者で、害虫の数を低く抑えることができます。穴を掘ることで、ミミズと同じくらいたくさんの土を動かすことができます。土をほぐして空気を含ませることで、保水力を高め、劣化した土地や乾燥した土地で特に役立ちます。アリは植物の主旨と栄養分を散布し直し、それを巣に持ち帰ることもよくあります。土壌の肥沃度を高めるとともに、新たな植物が定着するのに手を貸しているのです。さらに死骸をきれいにし、有機物の分解を助けます。
ポール・ホーケン『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』(株式会社 山と溪谷社、2022)
なんとイイことだらけ!
これを読んで納得でした。実は我が家は移住してきて早々、庭に大量のアリが発生しました。そこらじゅう、アリの巣だらけ・・
そして2年目の今は、アリの巣は半分以下に減り、代わりに様々な草が生えてきているんです!
多様な植物が育つことで、多様な生きものが棲み、私たちが必要な食べ物なども育てやすくなります。アリが暮らすことで、土壌が修復され、結果私たちの暮らしを豊かにすることに繋がっていたのですね!
例②:ハチ、チョウなど
ポリネーター(花粉媒介者)のことをご存知ですか?
ハチ、チョウなどが当てはまりますが、彼らはご存知の通り、花の蜜や花粉を求めて飛び回っています。
この行動は、彼らが生きるために必要なことですが、私たち人間が生きるためにも大きな役割を果たしています。
近年私たちは、ミツバチをはじめとするポリネーターが食料システムにいかに重要であるかを認識し始めました。私たちが3口食べ物を口に入れるうちの1口分は、受粉した食物に由来すると推定されています。食料品店の典型的な青果コーナーでは50%も占めています。(中略)
実のところ、地球上のすべての顕花植物の85%以上、つまり30万種以上が、ポリネーターを必要とします。(中略)
カカオの木の花はほぼ例外なく、ヌカカと呼ばれる小さなハエの仲間のみが花粉を媒介します。
ポール・ホーケン『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』(株式会社 山と溪谷社、2022)
この引用からも分かるように、私たちの暮らしは彼らの存在がなければ成り立たないと言っても過言ではないですよね。
とてもありがたい存在です。
しかし残念なことに、彼らは年々減少しており、絶滅の危機にある種もいます。
大気汚染、水質汚染、農薬散布、地球温暖化、乱獲などが原因で、特に農薬の影響が大きいと言われています。いずれにしても、私たち人間の責任ですね・・。
一見、私たち人間の暮らしにまったく関係がないように思える虫たちも、互いに影響し合っており、巡り巡って私たちの暮らしと深く繋がっていることが分かります。
ポイント② 虫と人間(自分)との繋がりを知る
虫と人間の繋がりを知る・・・前項とは違った視点で。
ちょっと壮大な話になりますが、ビックバンから人類が誕生するまでの進化の過程を学んだ時、私は大きな感動を覚えました。
先祖となる生きものたちが様々な困難を乗り越えながら生き延び、進化を続けてきてくれたからこそ、私たち人間が誕生できたんですよね。
すべての生命は、最初のたった一つの単細胞生物の生命を引き継ぎながら、三〇数億年かけてたように進化ー分化したものです。そういう意味で言うと、すべての生き物は共通の先祖を持った親戚です。遠い遠い関係だとしても、でもやはり親戚なのです。
水中や地下の微生物も、道端の草や山の木も、セミやトンボもチョウも、イヌもネコも、数えきれないほどのいろいろな生き物が、みんな自分の親戚だということが、科学の眼からも語ることができるというのは、とても不思議で、とても感動的なことだとは思いませんか。
岡野守也『コスモロジーの心理学 コスモス・セラピーの思想と実践』(株式会社青士社、2011年)
思います!!!
この壮大な進化の過程とすべての生き物は親戚であるという事実を知ると、虫嫌いな気持ちがちょっと和らぎませんか?
この引用だけだとピンとこないかもしれませんが、本にはビックバンからどのような経緯を経て人間が誕生したかが、科学的且つとてもドラマチックに書かれていて感動します。
是非読んでみてくださーい!
実はこの本の著者と知り合いなのですが、やはり虫など他の生き物に対して自分との繋がりを感じるから苦手意識はない(むしろ仲間意識)とおっしゃっていました。
ポイント③ 慣れと経験
なんだよ結局それですか~と言われそうですが、「慣れと経験」は大きいです。
最初は見慣れない虫にいちいちビクついてしまうかもしれませんが、目にする頻度が増えていくと本当に慣れてくるものです。
それと対処法も分かってきます。
カメムシなんかが室内に入ってきても、虫取り網をそっと近づけると素直に捕まってくれて、外に逃がすことができます。
まとめ:虫のことを知っておくと気持ちが違う
以上、虫嫌い、虫への苦手意識克服法をまとめてみました。
自分の経験からも、克服するには時間が必要だと感じますし、どうしても苦手意識がのこってしまう虫もいると思います。
それは仕方のないことで、虫が苦手な自分最低!なんて思う必要はもちろんありません。笑
ですが、ここで紹介したような虫の特徴や虫と私たちの大きな繋がりを知ることで、少しでも気持ちが変わるのではないかなと思っています。
なんて言って私もまだまだ知らないことだらけ!
初めて遭遇した虫を都度調べたり、初めて刺されたり嚙まれたりして学んだりの繰り返しで、少しずつの変化です。
この記事では虫について取り上げましたが、敵視されていたり危険と言われていたりする野生動物も同じだと感じています。
私たちは人間は人間だけの力で生きているのではなく、周りのすべて植物・生き物ののおかげで生かされているということを常に忘れないでいたいです。